狩野建築 コラム

戸建は大きく分けて、注文してから建てる注文住宅と出来上がっている家を買う建売住宅と中古物件を買うパターンがあります。戸建てとは建物ごとに独立して建てる家のことで2世帯住宅などの例外はありますが、主にその家族しか住まない家です。戸建て住宅のメリットは「騒音などのトラブルが起きにくい」マンションのような共同住宅では上下階や両隣に御近隣が住んでいるので生活をしているとかなり気を使うことが多いと思います。特にお子さんがいる家庭では、子供が飛び跳ねたりした音等かなり響きます。その点戸建ての場合、住んでいるのはその家族なのですから騒音トラブルは解消されます。「自分の敷地内に駐車場が出来る」建売住宅や中古物件の場合、出来上がっている建物を買うので駐車スペースは決まっていますが、注文住宅を建てれば敷地の広さにもよりますが2台分の駐車スペースを確保するのも可能です。近年電気自動車も増えていますので電気自動車が充電出来るように電気自動車用のコンセントを設けとくのも良いと思います。駐車場が自分の敷地内にあれば勿論、駐車場代はかかりません。「自分のオリジナルの家がつくれる」建売住宅や中古物件では出来上がった建物を買うので自由設計の家はつくれませんが、自分で土地を購入して注文住宅を建てたり、現在住んでいる家を注文住宅で建て替えれば、自由度の高い家、自分だけのオリジナルの家を建てることも可能です。「最終的に土地が資産になる」建物は時がたてば価格が低下していきますが、土地は時が経っても価格は低下しません、むしろ周辺の開発が進み土地の価格が上がることだってあります。マンションなども土地の一部分は所有している事にはなっていますが、戸建てと違い建て替えたりすることは出来ず、資産としては土地を残すことは難しいでしょう。「プライバシーが保護されやすい」マンションなどの共同住宅は色々な方が住んでいるので、干渉する方も中にはいると思いますし、ペットなどを飼うにも制限があります。その辺戸建て住宅の場合、独立した建物なので好きなペットも飼えるし、マンションに比べると御近隣からの干渉は受けにくく、自由な生活ができます。「リフォームをするのに余計な費用はかからない」
マンションなどをリフォームする場合、お住まいの方々にご挨拶廻りをするのは当たり前ですが、その他に共用部の養生をしなくてはなりません。共用部とはエレベーターの中や共用通路・エントランス等です。あと、管理組合に工事の申請をだし承諾を得てからの工事になります。マンションによっては1カ月前に申請をだし、万が一工期内に工事が完了しないと再度申請を出さなくてはならない場合があります。しかし戸建て住宅の場合、御近隣の挨拶廻りは勿論しますが、共用部の養生などがなくなり、管理組合に申請を出す手間も省けますので、その分の費用はかかりません。戸建て住宅のデメリット「気密性や断熱性がマンションに比べ低い」木造住宅などの戸建て住宅はマンションと違い躯体本体に隙間ができやすい為、気密性・断熱性はマンションと比較すると劣ります。気密性が悪いということは外気の温度の影響を受けるので、マンションに比べ冬は寒く、夏は熱く快適な状態を保つには難しいです。しかし、現在はそのような悩みを解消するため、高気密・高断熱・省エネ効果のある木造住宅も普及してきました。「メンテナンスや維持管理は自己責任」マンションの場合マンションのローンの他に管理費・修繕積立費を徴収致しますが、戸建て住宅の場合、完全個人の持ち物なので管理費や修繕積立費などというものはありません。その為、個人で家をメンテナンスする必要があります。例えば屋根や外壁なども定期的に塗装をしないと、そのうち雨などの侵入を防ぐことができなくなります。屋根・外壁塗装は建物を綺麗にするだけではなく、防水性があり雨などの侵入を防ぐ役割をしています。現在の木造住宅はベタ基礎になりシロアリ被害も大分少なくなりましたが、定期的に防蟻処理をしなくてはなりません。防蟻処理は5年の保証書が発行されます。要するに5年ごとにシロアリの防蟻処理をした方が良いということです。雑草などの草むしりも個人で定期的に行わなくてはなりません。マンションの場合、管理費や修繕積立費などを徴収している為、共用部の修繕工事などは修繕積立費で行うのですが、戸建て住宅と違い管理組合にいる理事長と数人の理事で総会が行われ総会により工事を行うか決議されますので戸建て住宅のようにはすぐにかかれませんが、管理費を支払っている為、マンション内の共用部の清掃などは、そこに配属している管理人さんがしてくれます。「防犯対策に限度ががある」中古物件で古い家は防犯対策的なところは施してない物件が多いと思いますが、注文住宅で新築を建てる場合、ある程度の防犯対策はできます。例えば玄関ドアは今はディンプルキーが標準になってきましたが、電子錠などにすれば防犯対策にもなりますし、防犯カメラを設置するような手もあります。引き渡し後にセコムなどに入ることもいいと思います。ただし、個人の所有物なので費用は自己負担になります。分譲マンションと比較すると、エントランス入り口からオートロックになっていますので、マンションに住んでいる人は特別に防犯対策をする人は少ないです。